リハビリのスタッフ間で話題になった話
突然ですが、リハビリスタッフが交流しているネットコミュニティでギランバレー症状群の方は病棟内自立歩行しても、
ジャンプや大股歩き、小走りなどの応用歩行ができない方が多い
という話題で盛り上がっていました。
私はだいたい1年くらいで、ジャンプも大股歩きも小走りもできました。
神経の回復を待ちながらなので、かなりゆっくり作っていった感じです。
自分はどーしたっけ??って考えていたら、色々と思い出したことがあったので、今回はそのことを書きたいと思います。
申し訳ございません。今回は医療スタッフ向け内容となります。
(この話題の際に、ご質問してくださった方のために書いた記事になります)
専門用語が多くなりますので、あらかじめご了承ください。
またおこがましいかもしれませんが、少しでも臨床でのヒントにつながると幸いです。
自分の場合、屋内歩行と屋外歩行のリハビリでは真逆の戦略をとりました。
安定した屋内歩行の獲得に向けて
(発症後21日にリハ開始、退院は発症後49日目その頃の話し)
入院中はとにかくCPGを意識したプログラムを実施していました。
(CPGはCentral Pattern Generatorといい、日本語では中枢性パターン発生器と訳されます。)
というのもγグロブリン投与後の筋力回復のスピードから、筋力の回復までには1年くらいかかると推測したからです。
そこで弱い筋力でも、とにかく効率よく歩くことを目指しました。
その時にネックになったのが歩行器になります。(この話しをしていいのか微妙ですが。。)
実は歩行器を利用するだけで、上肢、体幹の筋肉痛が出現しました。。
そして動員する筋が増えるため、より疲れやすかったんです。
ですから早期から歩行器を外し、CPGを意識した歩行練習を実施しました。
必要なタイミングで最低限の筋出力を発揮させ、リズミカルに歩く
事を主眼にしました。
また一方で感覚性の運動失調が著明であったため、歩く様子を動画でとり、フォーム改善を行うなど運動学習を利用したリハビリを行いました。
屋外歩行(発症後49日以降、自宅療養中の話し)
屋内歩行では「動(動かす)」を意識しましたが、屋外は「制(セーブする)」という真逆の戦略をとりました。
屋外歩行に対し問題となっていたのが、感覚性の運動失調です。
また専門用語。苦笑。。申し訳ございません。専門家の方に意識してほしいので用語を多めに使ってます。
簡単に説明すると、体の感覚が鈍いので、うまく動かせないことです。
特に退院直後は踵部の足底感覚は依然として脱失していました。
また広範囲の筋力低下があり、特に土台となっている足部はアーチが消えるなど、全身にわたって問題が山積みでした。
バランスに関する出力も入力も、そして統合さえも怪しい状況で、不整地の歩行は転倒リスクが高かったです(統合の話しはまたいつか。)
というわけで屋外はワイドベース、カウンターウェイトを多用し、重心移動をセーブさせながら、ゆっくりと安全に歩くことを意識しました。
ほんとすみません。。リハビリ関係者しかわからないと思いますが、上記内容が私の中ではポイントだと思っています。
もう少しわかりやすく書くと、外歩きがなれるまで転ばないようにするため、歩き方を工夫してました。
その方法が、両足を広げそーっと歩く方法です。
入院中はリズムカルに歩き、退院後はゆっくりそーっと歩いていました。
特に退院後2週間は、両足をテーピングで完全固定したり、体幹を弾包で巻いたり、関節を制動させていました。
買い物リハという形で、家から5分の100均へ行きながら、、身体の使い方を少しづつ慣らした感じになります。
そしてある程度体力的に余裕がでてきてから、本格的にバランストレーニングを開始しました。
バランストレーニングの話しは次回に。。
次回の方が臨床的には使えるかもしれません。
かなりマニアックな話になりましたが、PTの方に伝わると嬉しいです。
少しでもギランバレーのリハビリで応用歩行で苦戦している方が減る事を願っています。