歩行練習➂立って行うバランストレーニング

立った状態で行ったバランス練習とその事前準備で行ったお尻周りの筋トレを説明しています。

今回は歩行練習の記事で、第3弾になります。
過去記事はこちら♪

リハスタッフ向けとなる為、専門用語多めになります。
何卒ご了承ください。

もくじ

バランストレーニングの流れ

バランストレーニングの流れは
3、4か月目 座位(静的→動的+ボールエクササイズ)
4、5か月目 立位(静的、+殿筋群個別トレーニング →動的) 今回はここ!! 
最後 ステップ、プライオメトリクス へ


座位でのトレーニングがある程度できるようになったので、立位でのトレーニングに変えていきました。

ここでもまずは、静止立位のトレーニングかです。

じゃー早速、というわけにはいきません。
リハビリって積み重ねが大事なんです。

安全に、効果的に行くために計算しながら進めていきました。。

立位バランストレーニングの前に

立位のトレーニングの前に体がフラフラする原因を改善しました。

問題になったのが、大殿筋、中殿筋、ハムストリングの筋力低下です。

筋力低下=筋トレではなく。。。筋出力の調整を図ることが大切です。

というのもギランバレー症候群の場合、末梢神経障害で、どのくらい神経が回復しているのかポイントになります。

筋出力が日、時間帯、状況によっても変わりますし、回復も一律ではありません。

筋出力の調整とは

この頃、下肢は大腿四頭筋といった前面筋の筋力が早く回復していました。

ですので前面筋の過緊張を落とし、後面筋の筋出力を高めるよう促通をかけました。

ただし過緊張は落とすとすぐ弛緩したり、つりやすい時期でした。

回復具合と相反神経系の要素を考慮しつつ、慎重に筋緊張を調整しました。

簡単に書くと
回復が早かったふともも前の筋肉を緩め、回復の遅い太もも後ろの筋肉を働くようにしました。

ただ動かすだけでは、なかなか筋肉が働きにくいので、神経筋に対し促通という手法を用いました。

後面筋の筋トレ

筋出力を上げても、筋力が弱い状態は変わりません。
そこで後面筋の筋トレを行いました。

実施したのは、ヒップリフト、クラムシェル、側臥位での股関節伸展、外転運動です。
大殿筋、中殿筋、ハムストリングの筋力低下を改善させる感じです。

ですが末梢神経の回復状態を加味し
ただ動かすのではなく、筋収縮を皮膚刺激等を入れながら、セルフで促通しました。

立位のバランストレーニング

方法

ある程度、筋出力もアップしたら、立位のバランストレーニングを開始しました。

ギランバレー症候群 後遺症

方法は、ステップ台に片足だけのせ反対足は浮かせたままの片足立ちです。

最初はもちろんうまくいかず。。。

台の上に片足だけ乗せて
①支持側の壁によっかかって、反対側の足を持ち上げ続ける

②足裏でステップ台を押す力を意識しながら、反対足を浮かせる(支持足の股関節伸展筋)

➂片脚立位をしながら、骨盤を水平位に保つ(股関節外転筋)

④片脚立位を保持しながら、浮いている足を少しずつ前後に振る

という感じで段階づけしました。
トレーニングの様子はインスタに動画載せています。
良かったらそちらをご覧ください。

ポイント

ポイントは座位と同じです。

支持脚の感覚入力、姿勢確認(意識)、呼吸です。

姿勢確認では、柱など真っ直ぐ立っているものに合わせて、片脚立ちしました。

というのも、まだ毎日砂利道を歩いているぐらいしびれていて、感覚障害があったからです。

また鏡で出来ているか確認するよりも、目標物にあわせた方が、真っ直ぐに立ちやすかったりします。

こんな感じで常に視覚情報と照らし合わせながら、姿勢制御を行なっていました。

この片足だけ台にのせて、片脚立位を行うトレーニングは股関節疾患で外転筋の筋力低下がある方にも有用ですのでお薦めです。

もくじ