ギランバレー症候群って、筋力低下以外にどんな症状がありますか?
ギランバレー症候群というと、筋力が弱いというイメージだと思いますが、今回は目や顔の動き関する症状について説明したいと思います。
脳神経は末梢神経なんです
ギランバレー症候群は自分の末梢神経を自分の免疫機構が誤って攻撃して起こる病気です。
末梢神経は、運動をコントロールする運動神経、感覚神経、自律神経からなります。
ギランバレー症候群の場合、多くの方は運動神経のダメージが大きいので筋力低下や麻痺の症状が目立ちます。
ですが人によっては、感覚神経がダメージをうけ感覚が鈍くなったり、自律神経が乱れるような症状がでたりします。
また末梢神経は、脳神経という脳から出ている神経も含まれます.
ギランバレー症候群の場合、人によってはこの神経もダメージを受けます。
この脳神経の話しって、なかなか話題にあがらないですよね。
今回はあえてこの神経を話していきたいたいと思います。
今回は解剖用語が、沢山でてきます(苦笑)
なじみのない方も多いと思いますので、脳神経って何??という方は
良かったらこちらの動画をご覧ください。
ギランバレー症候群と脳神経障害
ギランバレーでどのような脳神経障害が出現するかについて書きます。
脳神経障害と書くと、認知症?と誤解される方がいらっしゃるかもしれません。
ギランバレー症候群では、認知症の症状はありません。
ひつこいですが、脳神経は脳からでている末梢神経です。
ギランバレー症候群では末梢神経系がダメージを受けるため、脳神経もダメージを受けたりします。
ガイドラインによると、多くの症例で様々な脳神経麻痺を呈すると書かれています。
詳しくはガイドラインP24「どのような脳神経麻痺が見られるか」
をご覧ください。
最も多いのが顔面神経麻痺で、次に飲み込みが大変になる球麻痺、眼球運動障害が多いとの事です。
これらも、筋力低下と同じように辛い症状です。
私も顔面神経麻痺と球麻痺、眼瞼下垂といった症状があります。
フルメニューです。苦笑。
私の症状は・・
いつもながら、、神経ごとに症状を書いた関係で専門用語が多く、読みにくいと思います。
あらかじめご了承ください。
入院当初、医師より眼球運動や顔面のMMTなどでスクリーニングされました。
軽症の為、主治医は気にとめてませんでした。
教科書にはあまり書かれていない症状もありました。
ぜひ医療従事者の方には、知って頂けると幸いです。
動眼神経:今も困っています
動眼神経は、目の動きの一部とまぶたを持ち上げる筋をコントロールする神経です。
私の場合、左目の神経がダメージを受けました。
そのため左側が軽く眼瞼下垂になりました。
目の動きもややピントがあわせにくい印象がありましたが、最近は気になりません。
症状が重い側の目は3カ月ぐらい、コンタクトに違和感がありました。
あとはなぜか光がまぶしく感じることがあったりします。
このへんの症状は↓に書いてあります。
三叉神経:約6か月で症状が改善
三叉神経は顔や舌の感覚の一部、飲み込みや咬む動きをコントロールしている神経になります。
私の場合、顔面の感覚障害がありました。
回復時に、髪の毛がチクチクして気になりました。
触れている感覚を痛みに感じる異常感覚(アロディニア)でした。
教科書に載ってるアロディニアみたいなんて、話のネタにしてましたが寝るときとか、それなりに大変でした。
後は味や舌の動きが悪かったりしました。
顔面神経:今も??(発症1.3年)症状あるかも
顔面神経の機能は、舌の感覚、顔面の動き、涙・唾液の分泌です。
まず右と比べると左の顔全体は少したるんでいます
けど硬くなっている部分もあったりします。苦笑
ピーク時は、左目が一時閉じにくく、ずっと涙が出てました。
口をゆすぐと口角から水が出たり、顔面神経麻痺が目立っていました。
これは2日くらいで消えました。
味覚障害は、かなり改善されました。
けれども今もなんとなくわかりにくい気がします。
舌咽神経、迷走神経、舌下神経:約半年ぐらい
舌咽神経の機能は、飲み込みや、唾液、舌の感覚です。
迷走神経の機能は、のどの運きや感覚、内臓の運動と感覚です。
舌下神経の機能は、舌の動きをコントロールします。
この辺も病気になった直後は、色々大変でした。
特に問題だったのは飲み込み関係です。
食形態は常食でしたが、嚥下機能は少し低下しました。
それだけではなく、咽頭の感覚がおかしかったです。
特に冷たい水を飲むと違和感がありましたので、病気になって半年後も夏場でしたが常温の水を飲んでました。
教員の私には舌の動きがにぶかったり、声がでにくいので苦労しました。
副神経:今も??
副神経の機能は、胸鎖乳突筋と僧帽筋という首、肩周りの筋肉をコントロールします。
私の場合、胸鎖乳突筋や僧帽筋の筋力低下が著明でした。
最初は自分の頭が重かったですし、鞄を肩から下げれませんでした。
こんな感じで、色々な症状があります。
脳神経障害は、手足の神経より中枢にあるため回復は早いと予想していました。
結局治るまで予想以上に時間がかかっています。